ちいさな工房の毎日を綴ります。
題して
「ふつうの木工家?のふつうの日々」

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2006年11月11日

漫遊記中編

京都の夜久野町で『丹波漆シンポジウム』という催しがあり、そこで木工芸の重要無形文化財、村山明氏の講演があるというので、丹波漆の漆掻き岡本氏のお誘いもいただいたこともあり、Jクオリアの松下氏、京指物職の若者という、例の仲良し三人組(『つみ木』上田クン談)で出かける。
週末ということで途中の渋滞が気がかりだというので、少し早く集合したもので、折角だからと行く道がてら、最近工房と住居を京丹波町の質美という地へ移した『つみ木』のおふたりさんを急遽訪ねるルートを採ることに。(朝っぱらからのお電話で失礼いたしました。)
クルマを走らせ国道173号線を北上する途中、道端で『木の家具 WOOD WORKS MATSUMI』という看板が目に入り、三人で声を合わせて、もしかしてあのMATSMIさん?となり、少し行き過ぎたところからUターンして戻ってみる。
改めて看板を見直すと、間違いなさそうなので、朝っぱらから、いきなりはさすがに迷惑やろ!?という気持ちはヤマヤマであったが、通りすがりの折角も折角だし、顔見知りではないとはいえ、それぞれ三人なにかしら繋がりをこじつけられるし、さすがに素通りも勿体無いと、三人総意の上、恥をしのんで訪ねてみることにした。
……のだが、挙動不審の三人組(在宅を確認する為とはいえ、さすがに庭先から覗き込むのはダメでしょ……。)に、恐る恐るご対応くださった奥さまに、きちんと事情をご説明すると、残念なことにご本人は、木材市に出かけられているとのことであった。
一応、それぞれ名前を残して、挨拶だけで失礼させていただき、また一路、173号線を北上する。
案内ハガキの地図を頼りに、なんと、こんなところへ……という田舎道を走り、梅田から約1時間半ぐらい、ようやく新居兼新工房に辿り着く。
築80年の民家を改装している途中だそうで、なんともおふたりさんらしい世界感溢れる新工房で、ガサガサとした大阪泉州のガサガサとしたアトリエ(それは自分が片付けてないせい!!)で日々を過ごす身としては、なんとも羨ましい。(羨んでいるばかりでは前に進めないのよ。)
ここでも最近考えている目論見のお話を唐突に切り出す。
会場で会った『木魂』の古谷氏にも同じ話をして、ちょっと呆れられてしまったが、この手の話は相手によって切り出すタイミングが難しい……。そもそも切り出していいのかというところから躊躇してしまい、漠然とした話しを唐突にするのも気が引けるのであるが、それでも話していかないことには、はじまらないし、漠然としたものも、いろいろの人と話しながら聞きながら、カタチが練りあがっていけばいいとも思っている。

その後、夕方から、明日、浜田工房へご一緒させていただく『杢工房 木楽』さんの工房のある福井県あわら市へクルマを向ける。
夜久野から日本海へ抜ければすぐに福井だと高を括っていたが、蓋を空けてみれば、もう石川県との県境ということで、正直躊躇もしたが、家へ帰ってまた滋賀県の米原まで走ることを思えば同じようなものだし、折角の機会ということもあり、勢い走ることにした。
しかし正直驚きました。ハイアマチュアのかたの工房といえば、ご近所の米田氏の『つどい工房』でそのことについては、それなりにわかっているつもりであったが、それにも増して、輪をかけて、今なら100g増量中!!という凄さ。
広さ、機械や道具の充実さはもとより、なにより驚いたのは、事務所にある蔵書の量、かの『手作り木工事典』がNo.1からすべて揃っているは、洋書の類いもどこかで目にしたものは大抵揃っているはで、そういう私設図書館ができそうといっても大袈裟で無いぐらい。
一晩かけて、開けるだけページを開いてやろうとも思ったが、明日のこともあるので、入手困難な焼酎をいただくほうを選ぶ。(なに、やっぱりお酒に負けたわけだ……。)
<続く>……のか。
今日はそんなとこ。

投稿者 KAKU : 2006年11月11日 23:59

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