ちいさな工房の毎日を綴ります。
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「ふつうの木工家?のふつうの日々」

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2006年05月20日

恩師との再会

お昼から、大オオサカまち基盤(大バン)というグループが主催するプロダクトデザイナーの秋田道夫氏の講演会に参加する。

この大バンなる活動団体とは、これまでまったく縁もゆかりもなく、よってこの講演会自体も開催についてまったく知らなかったのであるが、これがまた、たまたまおなじみの井本氏がネットで探しものをしていた時に偶然見つけたということで数日前に連絡をいただき、考えるまでもなく即決急遽参加を申し込んだのである。

プロダクトデザイナーの秋田道夫氏については、以前この日記でもご紹介させていただいたことがあるが、自分のデザイン専門学校時代の恩師で、なぜ考えるまでもなくという表現をしたかの経緯についてはそちらをご覧いただければ大枠ご理解いただけるところであると思う。

そんなことで、講演終了後、片付けをされているところにお声を掛けてみた。
昨年より幾度かメールを送らせていただいているので、まったくご縁がなかった訳ではないとはいえ、もう15年程、お会いしていなかったこともあり、話しかけるのも緊張したが、思いきって話してみれば、あの頃と同じ緊張感を感じさせながらも、同時にひょうひょうと冗談まじりに相手を受け止めるというあの感じは当時と変わらないもので、こちらの無駄な気苦労もいささかあっけなかった。

その後、大阪の近代建築ダイビルにある喫茶大大阪での懇親会では厚かましくも隣の席に座らせていただき、他の参加者の皆さんと一緒に歓談させていただくが、自分もあの頃より少なからず酸いと甘いを味わっている分、当時感じたあの気持ちとまた違った方向からも、秋田道夫という存在を感じ、そこからまたあらためて自分を見ることができた。
若いデザイナーの方が羨望の眼差しでお話を聞いているのをみて、あらためて凄い人からご享受いただいていた、今にして思えば、あの学校の教授陣は凄い顔ぶれだった訳で、そういう出会いがあの頃にあったことが、今ある自分にすべて繋がっているんだと、いろいろなことへの感謝の気持ちで一杯になった。

時代の流れとご本人の意志で、昨今、時折デザイナー秋田道夫というお姿を拝見させていただく機会も増えているが、誰かに、なにかに仕立てられたスターではなく、何年にも渡り一線で活躍し続けた結果ここにあるという本物の凄さは、やはり、尊敬に値する先達の一人だとあらためて実感させられると同時に、またひとつの目標とする生き様を垣間見させられた。

また、今回は、秋田氏と15年ぶりに再会できたことはいうまでもないが、大阪でこのような活動をされているグループがあること、そこに集う個性豊かな人々と出会うことができたこともまた素敵な楽しい出来事であった。

先を歩く人は、常に先を歩き続けることが、後に続く者への使命なのだと、実感した。
斯くありたい、いや、あろう……。
素晴らしい、今日はそんなとこ。

投稿者 KAKU : 2006年05月20日 23:59

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