ちいさな工房の毎日を綴ります。
題して
「ふつうの木工家?のふつうの日々」

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2005年07月20日

外遊(って、遊んできたのか!?)

梅田にある阪急百貨店で、オークビレッジ30周年記念展示会が開催されていて、今日はイベントで稲本正氏のミニ講演会があったので、お仕事中の柿花さんを連れ出し、出かける。
クルマで出かけたので、大都会で小回りがきかず、講演会は少ししか聞くことができなかったが、その後、接客応対されていた稲本氏と少しだけ直接お話をさせていただく機会があり、ちょっと感動してしまった。(ミーハーだな!!)
その会場に、もうかれこれ数年前にネットを通じてケータイストラップを購入してくださったスタッフの方が、高山から対応に来ていて、偶然の再会にお互い驚いてしまった。
ここでJクオリアの松下さんと合流し、同じく阪急百貨店の外商サロンで開催されている杉山裕次郎氏の工房悠の個展の会場にご挨拶に伺う。
一流百貨店の外商サロンといえば、我々庶民にはまったく縁のない場所で、その扉を開く時の勇気と、踏み入れたその空間は一種独特のものであった。
その後、杉山氏もご一緒に、市内の立売堀にある、橘商店という栗のナグリを専門に加工しているお店に、松下氏のご紹介でご訪問させていただく。
橘といえば、大阪ナグリの祖といわれるらしく、100年以上続く老舗の四代目で、我々(KAKU&松下)より少しお若い橘さんにご案内いただく。
ナグリの柱自体は、前々から見たこともあり、チョンナという刃物道具で加工するということは知っていたが、ここの場合は、独特な把手の付いた専用の突きノミを使って加工されているそうで、その刃物を見せていただいたときには、一同驚愕であった。
かの木工に関しては特に博識な杉山氏ですら初見だったそうなのだから、これは相当に珍しいものかもしれない。
その流れで、四人でお食事をするが、そこでなにを切っ掛けにか話題にあがった事のひとつに、日本の近隣諸国への戦後対応の話があり、杉山、柿花両氏の50代の方の知識と、我々、高度経済成長期以降世代の無知さに明らかな差があった。
要するに、戦後間もない世代が教えられてきた事が、緩やかな境目で伝えられなくなってきているらしいのである。
そのうち当事者の世代がいなくなれば、嫌な過去や過ちも忘却の彼方へ、そして新しい世代の新しい関係がなんて、要領よく事が進めばそれにこしたことはないかもしれない。
しかしながら、現状を見るにつれ、お互い違った認識のまま、すれ違ったそのままで時をやり過ごしてしまえば、事実以上に感情が輪郭を濃くしてしまい、感情論でかえって冷静に話し合えないことになってしまいかねない怖さを感じる。
政治はメディアの向こうの存在のように思ってしまいがちであるが、自分らのこども達の未来を考えた時に、自然環境に対する問題と同等に人間社会の問題に対しても意識を向けていかないといけない。
身の周りを取り囲むあらゆる事象に対するバランス感覚がこれから増々大切になってくるのかもしれない。
唐突な話が唐突な締めくくりになってしまうが、今日はそんなとこ。

投稿者 KAKU : 2005年07月20日 23:59

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