ちいさな工房の毎日を綴ります。
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「ふつうの木工家?のふつうの日々」

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2005年06月14日

ちょっと寄り道

柿花さんにお願いするお仕事の材料を引き取りに下へおりる。(解説:工房のほうが山なので、材木町のある海側へいくのに下へおりるという。昔言葉、他意は無い。)ついでに、せっかく柿花さんも一緒なので、大阪でも随一の家具用広葉樹を扱う材木屋さんである服部商店に営業の担当の方を尋ねてみる。
先日、その営業の方が見えた時、柿花さんをご紹介したので、置場でも案内してもらおうと思った訳だが、ちょっと留守だったようで帰ろうと思ったところ、社長さんが声をかけてくださり、いろいろお話を聞かせてくださった。
いろいろ伺う中、こっちで商品受け取って納得いかないことがあると、実際に現地に視察にいかれたり、とにかく材木という素材を扱われる以上、いかに良い素材を提供するかということにすごくこだわられていることがひしひしと感じられた。
確かにこちらの材に関しては、材木という商品ということでいえば、本当によく管理が徹底されて、質の高い材であることは自分の知る限りほぼ間違いない。欠点もほとんどないので、加工もしやすく、歩留まりもよくなる。予算が十二分あって特一級の材が欲しい時には、迷うことなくお願いしたいと思う。
ただ、だからといって自分がそういうブランド米みたいな材ばかりでモノづくりをしてしまうということは、自分が思っている事や、やっていることと微妙に違ってきてしまうような違和感があることは、反面本音のところではある。
適材適所、いろいろ知っておくことによって、その時ベターな選択ができるということでいえば、今回のお話をお伺いできたことはすごく糧になった。

しかし、ひと昔前の北海道の市の写真を見ると、ほんと日本の山には、良材(家具用の一級材という意味で…)が残ってないんだな。というのが現実、一昔前の方々がやるだけやってしまって、今じゃ中国でも少なくなって、ロシアに北上して再生困難なツンドラの森から盗伐された材を下手すりゃ道材なんていって流通させて、国産材にこだわってなんていう家具に使われているかもしれないなんて理不尽なことです…。

知ることでつらい選択をしなくてはいけない事もあるが、やっぱり知っていないといけない。

と思う…、今日はそんなとこ。

投稿者 KAKU : 2005年06月14日 23:59

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