ちいさな工房の毎日を綴ります。
題して
「ふつうの木工家?のふつうの日々」

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2007年04月12日

材木三昧

深夜より岐阜へとクルマを走らせる。
未明、あまりの睡魔に少し仮眠をして、
集合時間の午前6時、岐阜県各務原市の『岐阜木材団地』内にある『平野木材株式会社』にて『木の仕事の会』のメンバーと合流する。

今回の企画の参加者は、今回の企画をご提案くださった『木工房ろくたる』服部さん、『木工屋みしょう』はやしさん、『木工房またに』若森さん、この春、守口技校を修了された津田さん、と自分の5名。

自分は、こちらの市に来るのは初めてで、広い土場に丸太に、製材品、一枚板と、見渡す限りの材が置かれ、自分の予想を上回る量の材が出品されていて、驚かされる。
良材が少ないといっても、こんなのがと思うような材も複数みられた。

こちらの材木市は、材木屋さんに限らず、制作者のみならず、アマチュア木工家や一般の方々に対しても広く門戸を開かれており、一見しても様々なプロフィールとお見受けできる方々が、買い付けに参加されている。

ただ、こちらで入手できるのは、ほとんど生材なので、乾燥、保管のコスト、乾燥に伴う変形や割れのリスクを考えると、市場価格と単純比較しての、如何にこの価格とはいえ、場の空気に飲まれない思慮深さと、経験、直感、そして勝負強さをもって向かわれることがお薦め。
ということで、そもそも軍資金すら用意できない自分は、ぐっと生唾を飲みながらあえて見るに徹することにいたしました。

それより、顔なじみの材木屋さんや、著名な銘木屋さんも数名いらっしゃって、
そういった材木屋さんが、どのような目線で木材を選んでいるのか、その選美眼を垣間みられたことのほうが、学びになったと思います。

お昼過ぎ、製材品の市が終わり、その足で、岐阜市内にある、かの『櫻井銘木店』へ伺わせていただく。
『櫻井銘木店』といえば、故、早川謙之輔氏をはじめ、巨匠、著名な木工家の方々が材を購入される、自分の様な一介の制作者にとっては、なかなか敷居の高く感じられる憧れの材木屋さんである。

さすがともいえるストックと、人あたりのやさしいご主人に、感動し、
また、ちょっとした面白い出逢いもあり、これだけでも今回は足を運ばせていただくだけの価値がほんとうにあった。

その後、自分の材料の仕入れのこともあり、折角なので、ご紹介させていただくという意味もありで、同じく岐阜市内の『上杉材木店』へ。

木という、一見するとどこで買っても同じと思われがちな材も、やはりお店の色があって、それぞれの目利きでの品揃えであり、またそれに、社長さんや、担当してくださる営業の方のお人柄ということも、多いに関係してくるものだと思う。

ひとつのお店ですべてが賄えるとそれに越したことはないが、得手不得手があってしかりであるし、
購入する我々にとっては、それぞれの持ち味を理解することが、うまく良いお買い物をさせていただくコツというか、
またそれも、自分達の技術のひとつになるのかもしれない。

こういうお店があるというのは、制作者にとって、本当にありがたいことで、もう少し近ければそれに増してもっとありがたいと思うのは、ちょっと欲が深すぎるか……。

そういう意味では、市でご一緒させていただき、色々アドバイスいただいた、『木の仕事の会』にも席を置いてくださっている『丸ス松井材木店』の松井社長も、そのお人柄をうかがうにつれ、是非一度、お店のほうへもお伺いさせていただきたいと思います。

今回は、良い機会をご提案くださった服部さんをはじめ、会の皆さま、ありがとうございました。
情報収集や、市場の材の状況を生で知る為にも、今後も機会があれば足を運びたいと思います。

ということで、材木三昧の今日はそんなとこ。

投稿者 KAKU : 2007年04月12日 23:59

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