ちいさな工房の毎日を綴ります。
題して
「ふつうの木工家?のふつうの日々」

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2006年11月30日

おや、月末でしたか。

お昼前、突然、来客というのでお話をお伺いすると、どうやら工房見学をご希望のかたであった。
基本的に、まったく事前のアポ無しの工房見学というのは、余程、偶然通りかかったとかでない、計画的訪問の場合、一般常識的にNGではないかと思っているので、この場合、筋の通った対応としては、ご丁重に理由をお話ししてお断りすることなんだと思うが、なんだか近くないところからわざわざ訪ねてくださったところを、さすがに程度的にそこまでして一本筋を通す気もないし、外面良いヒトでいたいという内面的弱さもあって、取り敢えず苦笑いでご対応させていただく。
自分にしても、今でも様々な機会で、先達よりお時間を分けていただいていることもあるし、少しの時間ぐらいはヒトにお分けしてもバチは当たらないだろうということもある。

歳の頃は50代男性、ご趣味で木工を15年程されていたかたで、そろそろ専業にシフトしていきたいという思いもあって、工房を色々と見て、お話を聞いて回られているとのこと。
にしても、基本的に他の工房をお訪ねになられるにしても、アポ無しはNGということは、念を押してお伝えしておき、自分より年輩の方にも関わらず、またいつもの通り講釈垂れまくる熱血生意気キャラを演じてみる。(それは、演じているのか!?)

誰がどう考えてどういう風な人生や職を選ぼうと、他人がどうこういうものではないと思っているし、趣味が高じるしても、まったくの多分野、異業種から転職されるにしても、新たに目指されるにしても、その経緯については他人がどうこういえるものでもない。
ましてや自分の仕事ぶりを棚にあげて、どうこう言う資格もないのかもしれない。

が、同じ土俵に上がるものとして、それが全体に対し、どのような影響を与えるかということは考えないといけないなと、そういう視線で、きちんと相手を判断してアドバイスなりさせていただかないといけないのではないかとここで仕事を始めて、結構いろいろそういう方々とお話をさせていただく機会を経て、最近はそのように思う。

また、そのときに誤解されたままでいけないのは、この仕事が、単に技術的な側面のみをみて語られたり、また逆に、そういうことを抜きに、個性やスタイリング、デザインという、アウトラインをなぞっただけであったり、またもしくは販売や営業、コスト計算といった経営的側面に目を向けずに、本来、通用するような仕事ではないということのように感じる。

そもそもそういったことを誤解されやすいのは、誤解する本人の問題ではなく、誤解されてしまう程度の活動しかできていない我々制作者の側や、このあってないような業界のイメージそのものに問題があると予々感じている。
全体のイメージを考え、それがひいてはお客さまのメリットになると考えると、プロを名乗る以上、制作者としてこうありたいという姿勢と、少なくともな技術と知識を持っていたいと思うし、また、そういったことを対外的にもアピールしていく必要性、個人レベルを超えたところでの、所謂、業界団体的なものの存在の必要性を強く感じている。

この方に限らずではあるが、今のこのタイミングで久しぶりに、このような機会があったのもなにかあるのかと勝手にこじつけてみて……、

来年は真面目に関西で若手制作者の木工会みたいなのの始動に向けて動き始めます。とここで宣言してみる。
(ここで宣言してみてなにが起こるんだ!?)
(また調子に乗って……)
(こういうこと言っちゃうとまた反感かっちゃうんだよね。)
(また言いっぱなしとか、言われちゃうんだよね。)
(そもそも自分のことすらできてないのに、どうするの?)
(でも、どこかで誰かが口火を切らないと話って始まらないし……。)

言ってしまった手前、複雑……。
言ってしまえば、誰がリーダーかとか、誰某をリスペクトするとか、誰某とは一緒にやらないとか、そういう以前の全体的な問題としてどうでしょうか?ということなので、ひとつよろしくお願いいたします。(なんだ、逃げ場をつくるのか!?)

と、年末を控え今月はそんなとこ。

投稿者 KAKU : 2006年11月30日 23:59

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