ちいさな工房の毎日を綴ります。
題して
「ふつうの木工家?のふつうの日々」

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2005年12月24日

クリスマスイブ

フロントマスクをどうするか。
人形は顔がイノキです…(ネタ的に、古すぎで通じなさすぎ。)
…、まあ、クルマも往々にしてそういう傾向にあると思うので、木彫り(そういうとクマみたい)で、技法的というより技術的なことによる制約のある中、いかにその命である顔を表現すればいいか、これは最後の最後まで悩んだ。
できればボディラインと同様、細部を追っかけない方向でいきたかったのだが、実車のほうがそこまで強く特徴的でない為、ともすれば車種の特定すら危うくなってしまう。
写真、図面を眺めて、過去のモデルチェンジも遡り、その中で極力特徴を探し、そのラインを投影し、その上に苦し紛れも含め、最小限のディティールを彫り込むことで、なんとか実車と特定できるだろうところまで表現した。
タイヤはブラックウォールナットでアクセントとし、ホイールらしく見せるのと、何となくおもちゃのミニカー的な要素を持たせたかったこともあり、キャップボルトで留める。と、ひと言で言ってしまうが、キャップボルトでタイヤを留める方法もそれなりにひと捻り必要だったことはあえて言うまい。(って言ってる、言ってる。)
仕上げは、とにかくサンディングペーパー片手にしこしこと磨く、いや磨きまくる。
蜜蝋ベースの塗料であっさり目に塗装し、組み立てる。
なんと某ワーゲンゴルフの三代目モデルになったじゃないか。(と自分には見えているらしい。)
夜遅くの納車なので、養生の間、クリスマスイブということもあり一旦家に帰る。
なんとか家族でクリスマスイブの夜を過ごし、ほどなくアトリエに戻りお客さまからの連絡を待つ。
お仕事帰りにお引き取りに来てくださったお客さまに、さっそく見ていただいたところ、ちゃんとゴルフになってると喜んでいただけたので、なんとかひと安心。
ある意味なんでもやり過ぎ感とどこからともなく怒られそうな今回のお仕事であったが、一応のカタチとして仕上げることができたのはこれ幸い、サンタさんのお陰かもしれない。
いやはやメリークリスマス!!今日はそんなとこ。

投稿者 KAKU : 2005年12月24日 23:59

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