ちいさな工房の毎日を綴ります。
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「ふつうの木工家?のふつうの日々」

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2005年05月08日

キッチン設置

あれからなんだかんだと、積み込みにかかれたのが、午後もだいぶ過ぎてから。
リフォーム作業が済んでからの井本邸を見たいというカミさんとチビ達も連れて一家総出での出動になった。
組立て設置等の現場作業があるので、道具も一式必要になるが、何を段取りすればいいのか、この頃にはもう頭が回っていない。
とりあえず、ひと通り搬入して、井本氏と配管等の位置出しを確認したら、塗装は奥様チームにお願いして、井本氏の水道の配管作業の待ちの間にひと休みする。
ちなみに今回は、柿渋で着色塗装するのだが、現場で塗装する為、自然色倶楽部というところの無臭柿渋を使ってみた。

設置に関しては、設計の時点で脚付のデザインにして、建築匡体の歪みへの現場擦り合わせに対する逃げを兼ねさせていたので、左程問題なく作業はできる筈なのだが、何より連日の疲れで、目に見えて効率が悪くなっている。
始めたのも遅かったが、なんだかんだで、カウンターの取付まで納まったら、またも日付けが変わってしまった。

完成したキッチンを見ると、毎度我ながらであるが、なかなかにいい感じに納まってくれた。
築20年の普通の住宅を井本的視点でリフォームしたこの空間にあわせ、昭和の匂いを感じさせながら、シンプルでモダンな表情も持ったデザインが狙いであったが、それが出しゃばりすぎず、呑み込まれすぎず、程良いバランスでそこに佇んでいる。
無責任この上ない話かもしれないが、こういう仕事のありかたとして仕方がない事になってしまうのだが、自分自身ですら、完成したカタチを見るのは、初めてになるので、なってあたりまえとはいえ、うまく納まってくれると嬉しいものだ。
全体像は脳内イメージや図面、実際のカタチは、分割されたユニット単位、これを脳内で補完しながら、完成像を想像しながら細かいディテールまで加工していく訳であるが、これが実際カタチになり、その場に置かれるのを目の当たりにできるのは、いつものことで恐縮であるがこの仕事の喜びのひとつ、醍醐味でもある。
しかも、床貼りから、あれこれと関わったこの空間だけに、なんとなく感慨深いものである。

かなり夜も更け、こども達も寝てしまったので、早朝に帰る事にしてこのまま一晩宿を借りる事にした。
ひと仕事終わって、今日はそんなとこ。

投稿者 KAKU : 2005年05月08日 23:59

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