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くり

[クリ/栗:ブナ科:広葉樹/環孔材]

栗といえば思い出すのが、栗羊羹、天津甘栗、モンブラン等の甘いお菓子ですね。これは栗の実の話ですが、実も甘いですが、木自身にも甘味の成分が含まれているみたいで、丸ノコで切断加工していると、適度な摩擦熱を帯びて、甘栗をむいたときみたいな甘い香りがすることがあります。栗の実を食べると良く虫に喰われているのに遭遇しますよね、木を加工しててもあんな感じの虫喰いの穴によく遭遇します。さすがにもう虫は出てきませんが…。
用材としての性質は、よく知られているように心材部は腐りにくいので(これはタンニンという成分が多く含まれているからだそうです。ポリフェノールといえばご存じの方も多いのでは?)、建築用土台に使われるそうですが、昨今の建築事情では、栗の土台を使うような家はよっぽどこだわった住宅だと思います。防腐剤や、防虫剤を使わなくてもよいので、シックハウス対策によろしいのでは?(モノが少ないので、一般住宅に使う材料と比べるとちょっと高くなりますが、長い眼で見れば…、中国産や集成したもの市販されている様ですし。)
仕上がり感は、ナラやケヤキと比べると木目や色が素朴な感じで、落ち着いた雰囲気をもってます。わびさび感があるので、和風の空間に置くといい感じだと思います。「シルバーグレーの初老の紳士」といったところでしょうか?


クリの板目

クリの柾目

◆クリについてのリンク

木の気持 : クリクリーム
http://kinokoji.exblog.jp/2733925/

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コメント

こんばんは。
材料の選定や木取りって、悩みますよね。
数センチが足らない為に、もう一枚追加すると、
無駄がたくさん出てしまうとか・・・。
実は今、加工している材はお客様からのお預かり物
ですが、3年ほどシートを被せて野外での保管だった
材で、割れとか節が多いんですよ。
それをかんな盤で加工して、穴埋め処理の繰り返しで
疲れます。
それでも極力、良い所を木取りしたんですが・・。
大トロ材なら、その様な苦労はない代わりに、逆に
良い木取りが返って、難しいかも知れません。
 
クリは近所の製材所でも、以前は製材してたようですが、最近は稀にしか良い材が無いそうなので、代わりに
「スダジイ」を扱うそうです。
中々、クリの木はお目にかかれません。

>cosmosさん
木取りの気苦労は、それぞれの材なりにあるものですね。

クリも、良材はなかなか入手が難しいようで、材木屋さんで聞いても中国産が主流のようです。

山に近いところですと、製材すれば使えそうな材がチップになっている現実もあるという話を耳にして、この国の木材マーケットの難しさを感じます。

KAKUさん、どうもです。
先程まで、木工教室を開催しておりました。
もう、教室は二度とやる事も無いだろうと、
思いながらも、不思議な事に仕事が少しでも忙しい
時の方が、木のパワー?が作用する為でしょうか、
木工教室ご希望の生徒さんが来てくださるようです。
少ない人数ですが、今までよりも数倍も内容の濃い
教室になってます。
ありがたいことですね。

最近、近所まで高速道路が延びてきて、山林の雑木を
伐採するのですが、チップ用になっているので、
実に勿体無い事、多いです。
かと言って、伐採直後の重い丸太を足場がグチャグチャ
担った場所で、軽トラックに積み込むなんて、
一歩間違えたら、大怪我になるわけで、中々、物には
出来ませんね。
この間、仕入れた木材は父が故意にしていた、建材店の
会長さんからご連絡を戴き、倉庫を見せていただいたら
有るは、有る事・・・。
タモ、銀杏、ケヤキ、などを格安にてお譲り戴きました。
他は取引先からの何時もの仕入れなので、量はあっても、安い材を仕入れただけなんです。
中々、数十万は無理ですね。
その建材店さんの展示会だったのですが、木材業者さん
がしきりに、チークの3.6m×0.5×0.06の板材、2枚を
16万でどうかと言われて、悩みました。
思案中です。

本当に、木材流通(どちらかと言うと、大工さんを相手にしてきたので、個人の家具職人相手のノウハウが無さ過ぎるのでしょうね。)
国産材は難しいです。

>cosmosさん
お疲れのところコメントいただきありがとうございます。
木工教室もその時のご自身の状況に応じて変化するのではないでしょうか。
今までなら、相手の応じるままにというものが、こちらの伝えたいコトへと。
日本の木工文化も裾野が広がるばかりでなく、深みも加わればいっそう素晴らしいと思います。

>木材業者さんがしきりに、チークの3.6m×0.5×0.06の板材、2枚を
>16万でどうかと言われて、悩みました。
基本的に、別段欲しくない材、自分の仕事に使いそうもない材は、どんなに安くても買わないように気をつけています。(転売先のある場合や、いただける場合は別ですが……笑)
大概、いただいてもそのままストックされたまま朽ちていくという、あまり感心できない経験がそれを物語っています。
同じお金で、必要な材や欲しい材を買うほうがいいような気が……。(貧乏性で、すみません。)

家具用の広葉樹の流通は、気難しい家具業界を相手にしてきたせいか、無難かつ高価な材を扱うことに特化されてきているように感じます。

KAKUさん、何度もご丁寧なお返事を賜り、
ありがとう御座います。
今必要な材ではないので、お断り致しました。
無理は禁物ですね。
ありがとう御座いました。

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