<dining table>
ダイニングテーブル

主材:楢(総柾目)

幅1000mm×長2000mm/厚45mmという甲板のサイズが表わす通り、ほんとうに大きいという形容が似合うテーブルです。

このテーブルには、甲板のみならず、すべての部材を楢の柾目材を用いました。
しかも、この楢材は厚めの柾目板ということで、材としてもかなり上級な材でした。

ほんとうにこれだけの材をひとりで扱うには、かなり体力と気力を必要としました。
材のボリュームだけならまだしも、これだけの良材の味をどれだけ出しきるか、ただ漠然と切って削って組立ててテーブルのカタチにするという訳にはまいりません。(これは、私の仕事である以上、どの仕事にも当てはまることではありますが…。)
柾目の板の場合、いわゆるタケノコ状の木目が出ない分、一見おとなしめの印象になる訳ですが、楢材の場合、年輪と直交に走る放射組織と呼ばれる構成組織が特に良く表出し、虎斑と呼ばれる紋様が現れます。
その紋様を甲板全体に視線をおくった際に、如何にバランス良く配分し、四枚の板を矧ぎ合わせた甲板を一枚の板と見せるかというのが、大きな見せ場となっています。

構造的にも、送り蟻という木組みを用い、甲板、幕板と脚柱という少ない部材で、十分な強度を持たせながら、搬入時に組立てられるという構造になっています。
もちろん、こういった少ない部材で十分な強度をもたらすには、精度にも細かく気を使った加工が必要なことは、あえていうまでもありません。

制作者として、心技体の調子を整えた時でなければ、このような材に触る資格は与えられないのではないかと、改めて思い知らされました。

■木の工房KAKU■
e-mail : kaku@kinokoubou.com
All Rights Reseved,Copyright Woodwork studio KAKU

[home >>]